美唄自然エネルギー研究会は、平成9年8月に設立されました。自然エネルギーを活用しようとする産学官の共同研究会です。
自然エネルギーとして積雪寒冷地域の資源である雪の冷熱エネルギーがあります。当会では、この技術の開発および事業化を進めてきました。この結果、1.集合住宅・ウエストパレス(平成10・11年) 2.個人住宅用実験施設(平成12年) 3.コミュニティホーム美唄(平成12年) 4.ケアハウス「ハーモニー」(平成14年) 5.ピパの湯ゆ~りん館(平成15年)があります。それぞれ冷水循環式、全空気方式、および併用方法が採用されています。
また、美唄市で生産される農作物の付加価値を高めるため、貯蔵における雪の冷熱エネルギーの利用があります。1.内断熱を施した石造り倉庫(氷室)での野菜の低温貯蔵 2.味噌・漬物の低温熟成 3.JAびばいの雪蔵工房における全空気循環式の米の低温貯蔵 4.個人農家である貞広農場での独自ブランド米の低温保存(平成20年9月) 5.JAびばいの集出荷選果場に導入された雪と冷凍機を併用したハイブリット式氷室「雪蔵美人」(平成20年10月)などです。
平成21年から新し“ホワイトデーターセンター構想”が始まりました。現在、データーセンターは関東に多くあります。データーセンターは大量の熱を発生するため、特に夏期は大量の電気エネルギーを使って冷房しています。そこで、このデーターセンターを積雪寒冷地域である美唄に誘致して、雪エネルギーで冷房しようという構想です。冬期にデーターセンターが発生する熱エネルギーはハウスなどの農業に利用されます。この基礎試験のため、そらち団地に小規模雪山を造成して現在基礎データを採っているところです。
平成29年5月
美唄自然エネルギー研究会
会長 本間 弘達